人用のスキンケア用品にも多く配合されている保湿成分といえば、セラミドです。
私たち人間と同じく、犬の乾燥対策にもセラミドはとても有効です。
そこで今回は「保湿成分・セラミド」の効果と種類、効果的な補い方やおすすめのセラミド配合商品を紹介します。
セラミドは体内で作りだされる保湿成分
本来、セラミドは体内で作られる保湿成分です。
皮膚表面の角質層は、何層にも重なった角質細胞から出来ていて、角質細胞の隙間は細胞間脂質によって埋められています。
その細胞間脂質の中で、50%の割合を占めている成分がセラミド。
セラミドは、細胞間脂質が隙間を埋めることで角質細胞をつなぎとめ、肌の水分が蒸発するのを防いでくれます。
外部刺激の侵入を防ぎ、肌を守るバリア機能も果たすなど、セラミドは肌の健康に欠かせない成分です。
ですが、アトピー性皮膚炎を持つ犬は、生まれつきセラミドを体内で上手に作り出せないことも…。
セラミドが不足すると肌が乾燥し、バリア機能が正常に働かなくなって、外部刺激により痒みや炎症などが起こります。
▼保湿の重要性や乾燥対策について知りたい方はこちら
セラミドの種類は4つある!それぞれの特徴を知っておこう
セラミドの主な種類としては、ヒト型セラミド、動物性セラミド、植物性セラミド、合成類似セラミドがあげられます。
同じセラミドという名前ですが、それぞれに違いがあるので、ぜひ覚えておきましょう。
ヒト型セラミド…人の体内で作られるセラミドに似た構造を持ち、酵母などから合成される。他のセラミドの3~15倍の保湿力があり、浸透力も高い。やや高価。
動物性セラミド…馬や牛から抽出される天然セラミドで、人のセラミドに近い構造をしている。保湿力は高いが高価。
植物性セラミド…こんにゃくや米、ゆずなどの植物から抽出された、セラミドに似た成分。人のセラミドとは構造が違い、やや浸透力が劣る。価格がリーズナブルなものが多い。
合成類似セラミド…石油原料から科学的に合成された成分。他のセラミドよりも効果は劣る。価格はリーズナブル。
アレルギーの犬が取り入れたいセラミドは「ヒト型セラミドの1・3・6」
数あるセラミドのなかでも、保湿力・浸透力がもっとも高いのは、ヒト型セラミドです。
- セラミド1(EOP)…保湿、バリア機能
- セラミド2(NG)…高保湿
- セラミド3(NP)…保湿
- セラミド4(EOH)…バリア機能保持
- セラミド5(AG)…バリア機能保持
- セラミド6(AP)…保湿、ターンオーバー促進
- セラミド7(AH)…整菌効果(皮膚常在菌)
セラミドはアトピー性皮膚炎にも効果が期待できる
アトピー性皮膚炎を患う犬の皮膚は、セラミドが減少し、角質の細胞間に隙間ができてしまっている状態です。
そのせいで、余計に肌の水分が蒸発しやすく、痒くなる→掻くことが刺激になり、炎症が起きる→また痒くなるの悪循環に。
不足したセラミドを上手に補ってあげることで愛犬の肌は適度に潤うようになるので、日々の保湿がとても大切です。
セラミドはどう補えばいいの?
セラミドを補うには「塗って外側から補う」か「飲んで内側から補う」という、大きく2つの方法があります。
塗る場合は、セラミドが配合されたシャンプーで月に1~2回体を洗ったり、セラミド配合の保湿剤をスキンケアとして使ったりします。
飲んで内側から補わせたい場合は「セラミドが配合されたサプリメントを与える」のが最も効率的でおすすめの方法です。
塗る方法は効果が出るのが早く、ピンポイントでセラミドを補えるメリットがあります。
対して、飲む方法は効果が出るまでに時間が掛かりますが、全身にセラミドを補うことができるというのが大きなメリット
どちらもメリット・デメリットがあるので、はじめは併用して行ったほうが効果を実感しやすいですよ。
おすすめのセラミド配合アイテム9選
ここからは、セラミド配合アイテムの中でも特におすすめの商品を9つ紹介します。
レビューの評価が高く、使っている飼い主さんも多いアイテムをピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
塗るおすすめアイテム①:ビルバック ダームワン ペプチド
3種のヒト型セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド6)など、高品質な成分を使用。
配合された天然成分が皮膚常在微生物のバランスまで整えてくれます。1回使い切りのスポットタイプです。
塗るおすすめアイテム②:ドクターズファーマシー ペルシー アクアバリアスプレー
3種のヒト型セラミド(セラミド1、セラミド3、セラミド6)とヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分を配合。
肌の保湿、清浄、リペア機能、バリア機能をサポートする4つの作用を持つ、ラベンダーのほのかな香りがするスプレーです。
塗るおすすめアイテム③:パラソルヘルスケア 高濃度セラミドモイスチャースプレー
ユズ果実セラミド、ヒアルロン酸、オリゴノール、月下香エキスなどの保湿成分を配合。
シルクプロテインも配合されていて被毛もケアできますよ。気になる香りは、シトラス系のほのかな香りです。
塗るおすすめアイテム④:パラソルヘルスケア 高濃度セラミドボディジェル
ユズ果実セラミド、こんにゃく根セラミド、ヒアルロン酸、オリゴノールなどの保湿成分を配合。
シルクプロテインで被毛のケアも出来ます。ジェルなので伸びがよく、保湿力が高いのにベタつきが残りにくい使用感。
肉球のケアにも可。グレープフルーツのほのかな香りです。
塗るおすすめアイテム⑤:明治製菓 セラミド・オリゴノールスプレープレミアム
米由来セラミド、ヒアルロン酸、オリゴノールを配合し、保湿効果と抗酸化作用で皮膚の健康を維持するスプレーです。
無香料なので、香りに敏感なワンちゃんにもおすすめです。
塗るおすすめアイテム⑥:共立製薬 アロマベッツトリートメントモイスト泡シャンプー
セラミド3、コラーゲン、アロエベラ、リピジュアの4つの保湿成分が皮膚にうるおいを与えてくれます。
泡で出てくるシャンプーなので、泡立てる手間いらず。シャンプーが苦手なわんちゃんでもササッと洗えるのが魅力です。
塗るおすすめアイテム⑦:共立製薬 アロマベッツトリートメント モイストコンディショナー
同シリーズのシャンプーと同じく、セラミド3、コラーゲン、アロエベラ、リピジュア配合。
シャンプー後の乾燥する皮膚と被毛も保湿できるコンディショナーです。
塗るタイプは管理が大変…そんな時は飲むタイプがおすすめ
塗るタイプは使用後に浸透させる必要があるので、愛犬の性格や生活環境によっては使いづらいかも。
そんな時は、ぜひ飲むタイプのセラミドを取り入れてはいかがでしょうか?
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飲むおすすめアイテム①:ライフライン セラミドコラーゲン(粉末、錠剤タイプ)
こんにゃく由来のグルコシンセラミドと、コラーゲンを配合したサプリメントで、粉末と錠剤が選べます。
粉末は無味無臭で使い勝手よし。
錠剤はおやつ代わりにそのまま食べてくれるワンちゃんが多いので、薬嫌いのわんこにもおすすめです。
飲むおすすめアイテム②:PE セラミド・オリゴノールタブ
こんにゃく由来のグルコシンセラミドと、抗酸化成分のオリゴノールを配合したサプリメントです。
美味しい錠剤タイプで、神経質な愛犬にもおすすめです。
まとめ
セラミドは、知れば知るほど積極的に取り入れたい、肌の保湿に欠かせない成分です。
犬の肌は人よりもずっと薄くデリケートなので、バリア機能はしっかり維持しておきたいところ。
スキンケア用品を購入する際は、セラミドが配合されているかどうか、ぜひチェックしてみてくださいね。