投薬に関する飼い主さんのお悩みは、尽きることがありません。
アレルギーの治療は長期戦になることも多いので、薬を飲ませるたびに悪戦苦闘では嫌になってしまいますよね。
そこで本記事では、薬の飲ませ方について徹底解説!注意するポイントや形状別の飲ませ方、嫌がる時の具体的な対処法について紹介します。
愛犬への投薬が初めてということはもちろん、投薬に苦手意識がある方もぜひ参考にしてみてくださいね!
まずは知っておこう!投薬時に気を付けるポイント
実際の投薬方法を知る前に、まずは投薬時の注意点を紹介します。
当たり前に思えるかもしれませんが、どれも大切なことなので、十分に理解してから次のステップに進みましょう。
誤嚥(ごえん)
犬に薬を飲ませる時に、もっとも注意しなければならないのは誤嚥(ごえん)です。
誤嚥とは食べものや異物が間違って肺や気管に入ってしまうことで、嘔吐や呼吸困難を引き起こす原因になります。
投薬時は鼻先を上に向けるようにして行うとスムーズですが、上に向けすぎないように注意しましょう。
無理強いしない、怒らない
薬を飲ませることに集中しすぎると、つい力が強くなったり、口調がきつくなったりしがちです。
その結果、愛犬に苦しい思いをさせてしまったり、投薬を重ねるごとにどんどん愛犬が薬嫌いになってしまう可能性も…。
愛犬の投薬では、お互いにとって少ない負担で投薬できる方法を探すこと、飲めたら褒めてあげることが大切です。
薬の形状はできるだけ変えない
粉薬やカプセルなど、動物病院で処方される薬には、それぞれ目的に合った形状をしています。
せっかく飲ませた薬の効果が十分に発揮できるように、薬はできるだけ処方されたままの状態で飲ませましょう。
- 錠剤:胃のなかでゆっくり溶ける。穏やかに溶けていき、効果が長続きする
- 粉剤:錠剤やカプセルより効果が早い。複数の薬を混ぜ合わせられる
- 液剤:甘みがあって飲みやすい。体内への吸収が早く、効果が早めに出る
- カプセル:苦い味や臭いを閉じ込めることができ、飲みやすい。効果がゆっくり
基本の投薬方法|形状ごとに解説
まずは、基本の投薬方法から解説します。
基本の投薬はコツさえ掴めば素早くできますし、愛犬の食欲がない時でもOK。
犬は飼い主の気持ちに敏感なので、リラックスして行いましょう。
錠剤・カプセルの飲ませかた
・利き手の親指と人差し指で、薬を持つ
・反対の手で犬の頬骨をつかみ、軽く上を向かせる
・薬を持ったまま、中指を犬の前歯にかけて下に引き、口を開ける
・舌の付け根をねらって、薬をポトンと落とす
・上向きの体勢をキープし、犬が薬を飲み込むまで待つ
・薬が流れるように、スポイトで水を飲ませる(粉薬の飲ませ方参照)
もっと詳しく知りたい方は⇒【犬の投薬】錠剤・カプセルの飲ませかた|嫌がる場合の対処法
粉剤・シロップの飲ませかた
・スポイトに、シロップや水で溶いた薬を入れる
・利き手と反対の手で犬の頬骨をつかんで、軽く上を向かせる
・犬歯の後ろからスポイトを入れ、ゆっくり薬を流し込む
・上向きの体勢をキープし、犬が薬を飲み込むまで待つ
※飲み込まない場合は、喉をさすったり鼻に息を吹きかけると良い
もっと詳しく知りたい方は⇒【犬の投薬】粉剤・シロップ剤の飲ませかた|嫌がる場合の対処法
犬が薬を飲むのを拒否する場合の対処法
犬が薬を飲むのを嫌がり、直接飲ませることができない時もありますよね。
例えば、前足をチョイチョイ出してきたり、顔を背けたり、後ずさっていったり…。そんな時はどのように対処すればよいのでしょうか?
ここでは、動物病院でも行われている投薬を嫌がる犬への対処法を紹介します。
前足を出してくる犬はバスタオルでくるむ
愛犬のイヤイヤ防止には、バスタオルによるスマキがおすすめ。
バスタオルで犬の体をしっかりと巻くと、犬は手足を自由に動かせなくなります。
長時間はストレスがたまるので、できるだけスピーディに投薬しましょう。
顔をそむける・後ろに下がる場合は部屋の角を利用する
部屋の角でおすわりさせ、後ろに下がれないようにします。
愛犬が立ち上がろうとしたら、すかさず「ダメ」と指示を出し、膝で進路を断ちましょう。
諦めの良い犬であれば、ある程度のところで観念して大人しくなります。
口が小さい・噛む犬には投薬器を使用する
口が小さい犬の場合、手指がうまく口に入らず投薬ができないこともあります。
そんな時は、専用の投薬器を使用するのがおすすめです。
投薬器の使い方は簡単、先端のゴムに薬をセットし、愛犬の口に差し込んでポトンと薬を落とすだけ。
投薬専用に作られたアイテムなので、初めて使う方でも扱いやすいですよ。
今と形状が違うタイプの薬に変えてもらおう
獣医さんによっては、相談次第で薬の形状を違うものに変えてくれることも。
同じ形状の薬でも、甘味があるものは犬が飲んでくれやすいので、獣医さんや動物看護師さんに相談してみても良いかもしれません。
警戒心が低いわんこなら食べ物を利用するのがおすすめ
投薬時のストレスを最大限に減らしたい!という方は、食べ物に薬を混ぜる方法がよいでしょう。
薬を食べ物に混ぜて与える時は、ある程度(ペコペコではない程度!小腹が減った時)お腹が空いている時に行うこと。
愛犬のお腹が満たされていると、それだけで食いつきが悪くなるので、よくタイミングを見極めてくださいね。
投薬専用のおやつも上手に活用しよう
気軽に投薬をしたいなら、投薬用のおやつがおすすめ。
投薬用のおやつは薬を包みやすい形状になっていて、犬の食いつきが高いというメリットがあります。
一言で投薬用のおやつといっても、その種類はかなり豊富。
味や形状も様々なので、ぜひ愛犬のお気に入りを探してみてくださいね。
投薬用のおやつは賞味期限が長いものも多いので、1つはストックしておくと安心ですよ。
投薬がどうしても難しい場合は薬を変更してもらおう
薬は、飲んだり飲まなかったりすると、耐性菌がついてしまい、効果がなくなる可能性があります。
投薬ができないとアレルギーの治療も先に進まないので、どうしてもうまくいかない場合は、動物病院に相談しましょう。
治療の方針にもよりますが、場合によっては、効き目の持続時間が長い、注射薬に変更してもらえることもあります。
多くの動物病院では、希望すれば服薬指導もしてくれるので、焦らずじっくり慣れていきましょう。
正しい投薬方法をマスターしよう
難しいと思いがちな犬への投薬ですが、やりかたは意外とシンプル。
投薬が上手にできれば、愛犬の負担はとても少なくなります。
アレルギーの治療を効率的に進めるためにも、投薬は正しく、かつ確実に行いましょう!