愛犬のアレルギー症状がなかなか改善できないと、対処に悩んでしまいますよね。
アレルギーには体質が大きく関係しており、犬自身の体質によっては、継続的に症状が起きてしまい、症状に対して治療薬が追いつかないことがあります。
今回は、そんなアレルギー体質を改善するための治療法「インターフェロン」の特徴について解説します。
アレルギー体質とは
アレルギーとは免疫系疾患の一種で、生まれつき皮膚バリアや腸内環境が乱れやすい体質のことを「アレルギー体質」といいます。
食物アレルギーやダニアレルギー、アトピーなどのアレルギー疾患は、体内に入った「アレルゲン」に対して、体の免疫物質が過剰に反応することで発症します。
アレルゲンとは、花粉やダニなどの、アレルギーの原因となる成分。
呼吸や食事だけでなく、乾燥や傷など、皮膚バリアが低下した時に体内に侵入する。
遺伝的要素が深く関わっており、アレルゲン自体の除去は不可能。
犬の体の免疫機能を調整できる【インターフェロン】
犬のインターフェロン療法は2005年に認可された治療法で、体内の免疫物質のバランスを調整することで、アトピー症状を緩和させる治療法です。
インターフェロンとは、体内で作られる特殊なたんぱく質の一種です。免疫機能や炎症反応を調整する役割を持ちますが、体内でも作られる量が少ない物質。
人工的に培養したインターフェロンを体に注射し、体内の免疫機能を強化させることで、アトピー体質の改善が期待できます。
※人間ではB型、C型肝炎、がんなどの治療で使用されています。
[インターフェロンの特徴] ・根本的な改善を目指せるので、長期的な目線で治療薬の減量に繋がる ・注射薬なので、ごはんなどに混ぜて服用させる苦労が少ない ・副作用が少なく、安心して使用できる |
[使用する前の注意点] ・治療開始時は週3回の投与で、短期間に通院が必要(症状が落ち着いてから減量可) ・効果が現れるのがゆっくりであるため、長期的な投与が必要(有効判定は1ヶ月程度) ・薬の費用が高価(目安としては注射液1本で約2,500円前後) |
インターフェロンによる体質改善には時間がかかるため、しばらくは他の薬と併用したり、細かく通院をするなど、根気強く長期的な目線で考えた治療が必要です。
現在の治療であまり効果が期待できない場合や、他の薬の副作用が気になる場合は、かかりつけの先生に相談してみてはいかがでしょうか?
さいごに
アトピー体質の改善には、長期的に向き合う必要があります。
インターフェロンによる体質改善にも多くの時間が必要になりますが、そのぶん改善した後の管理はとても楽になりますよ。
インターフェロンを使ったアレルギー改善についてもっと知りたい!という方は、ぜひかかりつけの獣医師に相談してみてはいかがでしょうか?