グリーントライプには栄養がたっぷり含まれていて、日本国内でも手に入りやすいのが特徴。
アレルギー予防にも効果が期待できるといわれている、いわばスーパーフードなんです。
この記事では、グリーントライプの栄養成分やメリット、選び方のポイントを解説します。
犬用グリーントライプとは
グリーントライプは、「草食動物の未消化物が入った未洗浄の胃袋」のこと。
草食動物の胃は4つありますが、グリーントライプに使われるのは「第1胃か第2胃」です。
第1胃と第2胃には、繊維質やタンパク質の分解を行う微生物や消化酵素がたっぷり詰まっています。
そんな胃をトライプとして食べることで、凝縮された栄養素を効率よく摂取することができるのですね。
犬は未洗浄の胃も食べられる
動物の胃袋は「ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ」などの名前がついていて、人間も食べることができます。
人間が食べるそれらの胃袋は、消化液などをきれいに落とし、洗浄した状態で出荷するのが一般的です。
人の胃液はそれほど強くないですし、衛生面を考えると、洗浄は必須なのですね。
未消化の牧草には、犬の腸内環境を整える栄養価も豊富に含まれており、積極的に摂取すべきといえるでしょう。
消化吸収をサポートする消化酵素は熱に弱いので、選ぶなら加熱処理されていないグリーントライプがおすすめです。
犬の嗜好性もばつぐんに良く、嫌いな犬はほとんどいないといわれるほど、食いつきもばっちりです。
グリーントライプに含まれる栄養素
グリーントライプには、主に以下のような栄養素が含まれています。
主要成分
- 乳酸菌
- 水溶性食物繊維
- 消化液・消化酵素
- ビタミン・ミネラル各種
- オメガ3脂肪酸(不飽和脂肪酸)
これらの栄養素は、犬の腸内環境を正常に保ち、皮膚や被毛の健康をサポートしてくれます。
食べ物の消化吸収を助ける作用もあるので、消化不良による軟便や嘔吐などを抑える効果も期待できます。
犬にグリーントライプを与えるメリット
グリーントライプは栄養素がとても多く、まさに犬のスーパーフードといっても過言ではありません。
犬にグリーントライプを与えることで、以下のようなメリットが期待できます。
メリット
- 食欲増進
- 食べ物の消化吸収を助ける
- 皮膚・被毛の健康をサポート
食欲増進
グリーントライプには、犬が喜んで食べる独特な風味があります。
そのため、食欲がないときのトッピングや特別なごほうびとして活用しやすいのがメリット。
封を開けるだけで犬の野生の本能に働きかけてくれるので、トレーニングの効率を上げたいときにも便利です。
食べ物の消化吸収を助ける
グリーントライプに含まれる消化酵素や微生物は、食べ物の消化吸収をサポートしてくれます。
お腹がデリケートな愛犬や胃腸が弱ってきたシニア犬に与えれば、胃腸にかかる負担を少なくできるでしょう。
皮膚・被毛の健康をサポート
必須脂肪酸、ビタミン、アミノ酸などが豊富なのも、グリーントライプのメリット。
これらの栄養素は犬が健康な体を維持するために必要であり、皮膚・被毛の健康にも役立ちます。
老化やがんの発症リスクを抑える抗酸化物質・オメガ3脂肪酸も多く含まれており、愛犬の健やかな毎日をサポートします。
グリーントライプのデメリット
優秀過ぎるグリーントライプですが、それなりにデメリットもあります。
デメリット
- においがきつい
- それなりの値段がする
においがきつい
生のグリーントライプのにおいは、人間にとってかなり臭いです。
例えるなら、動物園の飼育者のような強烈なにおいで、敏感な人は厳しいかも!
缶詰タイプのグリーントライプだと、愛犬が食べている間中、部屋にニオイが充満します。
においの原因は、食べ物を発酵・分解する菌が胃内で働いた際に発生するガス。
犬の体に害はありませんが、とにかくマニアックなにおいがするので、生タイプを温める際は覚悟してください。
それなりの値段がする
グリーントライプはデリケートかつマニアックな食品なので、それなりの値段がします。
グリーントライプは主食ではなく、あくまでおかずやおやつなど、補助的な位置づけの食べ物です。
普段のフードに加えるとなると多少コストがかかるのは、デメリットといえますね。
グリーントライプがおすすめの犬
グリーントライプには、消化酵素や乳酸菌などの善玉菌がたっぷり入っています。
食いつきも本当に良いですし、与えるだけで胃腸の働きをサポートしてくれるので、使い勝手はかなり良し。
どんな犬にもおすすめできますが、特にあげて欲しいのは、以下のようなわんこ達です。
- 食欲のない犬
- 吐き癖のある犬
- おなかの弱い犬
水を飲まない犬には「トライプ水」がおすすめ
普段から水をあまり飲まなかったり、外出時は一切水分補給をしない犬って、けっこう多いんですよね。
でも夏場など暑い日は熱中症予防のためにも水をたくさん飲ませたい…そう思いませんか?
そんなときは、グリーントライプを水でふやかした「トライプ水」を作ってみましょう!
グリーントライプの選び方
さて、グリーントライプには
- 半生タイプ
- ドライフード含有
- フリーズドライタイプ
の3種類があります。
このうち、効率よく栄養素を摂取できるのは、半生タイプやフリーズドライタイプ。
消化酵素は熱にとても弱いので、高熱で加工されたドライフードはトライプの栄養価が大分失われています。
アレルギー予防や健康サポートとして取り入れるなら、缶詰やフリーズドライの商品がおすすめですよ。
嗜好性重視なら缶詰タイプ
缶詰タイプの特徴は、なんといっても嗜好性が高いこと。
缶詰には水分と一緒に素材のうま味が詰まっており、犬の食いつきが抜群に良いのです。
ウェットフードは栄養の吸収も良いので、おなかがデリケートなわんちゃんにもおすすめです。
気軽に取り入れるならフリーズドライ
においが気になる、まずは食いつきを試したい!という方には、フリーズドライがおすすめ。
フリーズドライタイプの商品なら、グリーントライプの独特なにおいが抑えられていて、長期保存も可能です。
なかには小さなお試し用パックが売られていることもあるので、初めてでも取り入れやすいですよ。
水でふやかしたり、砕いてドライフードにかけたりできるので、与え方も簡単です。
おすすめのグリーントライプ5選
ここでは、おすすめのグリーントライプ商品を紹介します。
どれも栄養価が凝縮されていて、安全性が高いものなので、選ぶときの参考にしてみてくださいね♪
K9ナチュラル ラム・グリーントライプ
K9ナチュラル ラムフィースト
グリーントライプを配合したフリーズドライタイプのドッグフードです。
アレルギーの出やすい穀物も使われていないので、皮膚トラブルを抱える愛犬の食事にぴったり。
フリーズドライながら犬の嗜好性が高い点も、おすすめする理由のひとつです。
K9ナチュラル ラム&キングサーモンフィースト
グリーントライプを原材料に使用した缶詰タイプの商品です。
アレルギーの原因になりにくいキングサーモンを使用しているため、アレルギー対策用としても◎。
食いつきの良い半生タイプなので、食欲のない愛犬にもおすすめです。
ニュートライプ 新ピュア95g缶シリーズ
グリーントライプ特有のニオイが愛犬の食欲をそそる缶詰シリーズです。
クセの強いグリーントライプ特有のニオイが犬の本能を刺激するため、食いつきばつぐん。
カンガルーやベニソン・ゴートなどアレルギーになりにくい原料を使用しています。
ジウィピーク オーラルヘルスケア ラム グリーントライプ
羊の胃を使ったグリーントライプのおやつです。
小さくカットすれば、トレーニングのご褒美にもなりますよ。
タンパク質73%、脂質6.0%とヘルシーなので、ダイエット中のわんちゃんにもおすすめです。
犬用グリーントライプまとめ
グリーントライプは、嗜好性ばつぐんのスーパーフード。
アレルギー予防をはじめ、軟便や便秘対策、皮膚・被毛の健康維持にもおすすめできます。
独特なにおいがあるので初めは抵抗があるかもしれませんが、そのぶん愛犬の目の輝きにびっくりするはず!
ぜひグリーントライプ入りのフードやおやつを活用し、愛犬の食生活を豊かにしてあげてくださいね。