愛犬の耳掃除、どうしていますか?やり方や、頻度が分からず困っていませんか?
今回は、犬の耳掃除の必要性と頻度、具体的な方法について動物看護師が詳しく解説していきます。
▼耳掃除と同じくらい大切なお手入れ「爪切りのコツ」はこちらで詳しく解説中
週に1度は耳の中をチェックしよう
耳に汚れがなく、痒がるような様子や、炎症、傷などのトラブルが見られないようであれば、耳掃除は不要です。
ただし、耳のチェックは必ずしてほしいので、できれば毎日、最低でも週に1回程度は、愛犬のお耳チェックをしましょう。
いつもは問題なくても、夏場だけは状態が悪くなる場合もあるので、暑い時期・湿度が高い時期は要注意です。
たれ耳や脂性の犬の場合は、目立った汚れが見られなくても、1~2週間に1回、軽く拭いてあげるのがベスト。
痒がっていたり、赤み、腫れ、臭いなどがある場合は、動物病院を受診してくださいね。
正しい耳掃除・点耳のやり方
耳掃除の頻度が分かったら、実際に耳掃除の仕方を覚えていきましょう。
ここでは、正しい耳掃除のやり方と、点耳薬を処方された場合の点耳方法について解説します。
耳掃除のやり方(1)|しっかり洗浄したい時
犬の耳掃除には、液体のイヤークリーナーとコットンを使用します。
・イヤークリーナー
・コットン(ガーゼやクリーナーシートでも可)
- 耳をめくり、耳の中にイヤークリーナーを入れる(※注入した液体が見えるくらいまで)
- イヤークリーナーのボトルを置き、耳の根元部分をクチュクチュと揉む
- 耳を離して、ブルブルと頭を振らせる(振らない場合は、耳の中にフッと息を吹きかけて!)
- イヤークリーナーや汚れが耳内に残らないよう、コットンなどでふき取る
室内では3の工程を省いても構いませんが、耳の中にイヤークリーナーが残ってしまうと、トラブルの元になります。
耳を傷つけてしまわないよう気をつけながら、丁寧に拭き取りましょう。
耳掃除のやり方(2)|拭き取りでいい時
しっかり洗浄と同じく、拭き取りにはイヤークリーナーとコットンを使用します。
・イヤークリーナー
・コットン(ガーゼやクリーナーシートでも可)
- コットンやガーゼを、イヤークリーナーでしっかり湿らせる
- こするのではなく、浮かせとるイメージでふき取る(奥の汚れは丸めたコットンで取る)
- 耳を離し、ブルブルと頭を振らせる(振らない時は耳の中にフッと息を吹きかけて)
- イヤークリーナーや汚れが耳内に残らないよう、乾いたコットンでふき取る
湿り気が足りないと摩擦が強くなり、耳を傷つけてしまう可能性があります。
コットンはしっかり湿らせて、こするのではなく、じゅわっと浮かせとりましょう。
点耳のやり方
・点耳薬(病院処方、市販購入品)
- 耳をめくり、耳の中に点耳薬を入れる(※量は獣医師の指示に従う)
- 片方の手で耳を持ったまま、耳の根元部分をクチュクチュと揉んで馴染ませる
- 耳を離しブルブルと頭を振らせる(振らない場合は、耳の中にフッと息を吹きかけて)
- 浮き出てきた汚れを、乾いたコットンでふき取る(耳の中は拭き取り不要)
参照:子犬のへや|犬の耳掃除の仕方・完全ガイド
マッサージで剥がれた耳垢は、浮力によって浮かんできます。
イヤークリーナーと違い、点耳薬は耳の中に残っていても構いません。(気にしているようなら軽くふき取ってOK)
耳掃除・点耳のコツは?
イヤークリーナーも点耳薬も、顔の後ろ側から
イヤークリーナーや点耳薬は、犬にとって見慣れないもの。
真正面から入れようとすると、怖がったり嫌がったりして、なかなかうまくいきません。
イヤークリーナーや点耳薬は、愛犬が見えないよう、後ろ側から入れてあげましょう。
綿棒を使わない
綿棒は扱いが難しいので、慣れないうちは使わないようにしましょう。
よかれと思って使ったはずが、かえって耳垢を耳の奥に押し込んだり、傷つけたりしてしまうことになりかねません。
イヤークリーナーを人肌程度に温める
いきなり冷たい液体が耳に入ってくると、愛犬がビックリしてしまいます。
特に冬場など寒い時期の耳掃除では、クリーナーや点耳薬を人肌程度に温めてから使いましょう。
点耳薬の場合、容器を手で握るように持っておくと、数分で温めることができます。
子犬の時から耳に触られることに慣らしておく
耳掃除に抵抗を持たないよう、子犬の時から耳を触られることに慣らしておきましょう。
耳掃除のしつけは、成犬になってからでも十分間に合います。いきなり耳掃除から行うのではなく、まずは耳に触ることから始めてくださいね。
無理に押さえつけたり、怒ったりしない
私たち人間も、耳に水が入った状態は不快ですよね。
理由もわからず、じっとさせられ、突然耳に液体が入ってきた時、お利口にしていられる犬は多くありません。
耳掃除に嫌なイメージを持ってしまうと、余計に嫌がって暴れるようになるので、要注意。
愛犬の耳掃除を行う時は、けっして無理をせず、毎日少しずつキレイにする意識を持って臨みましょう。
やさしく声掛け、ご褒美をあげる
耳掃除中は「いいこだね」「きれいになって気持ちいいね」など、優しく声を掛けてあげてください。
我慢できたらしっかり褒めて、ご褒美をあげること。「耳そうじは楽しいこと」と、愛犬に思わせることが大切です。
台に乗せる
爪切りなど、様々なお手入れに共通することですが、台に乗せると大人しくなる犬は多いです。
実際、動物病院やトリミングサロンでは、台の上ですべてのお手入れを行います。
犬がパニックになって飛び降りないよう、注意しながら行ってくださいね。
▼愛犬が点耳薬を舐めてしまう場合はこちらもチェック!
動物看護師が選ぶ!おすすめイヤークリーナー5選
ひとくちにイヤークリーナーといっても、成分や香りなどは様々です。
そのため、どのイヤークリーナーを選べばよいか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
ここからは、おすすめのイヤークリーナーを5つご紹介します。
おすすめイヤークリーナー①:日本全薬工業 オーツイヤークリーナー
天然成分がメインのイヤークリーナーで、アレルギーの犬にも使える低刺激性。
医薬品メーカーが作っている製品なので安全性が高く、動物病院でも使用されています。香りも控えめで使いやすい!
おすすめイヤークリーナー②:キリカン洋行 ノルバサンオチック
多くの動物病院で使われているイヤークリーナーです。
アルコール配合なので、耳の中に多少残ってしまっても自然と蒸発してくれます。ラベンダーのほのかな香りがしますよ。
おすすめイヤークリーナー③:ビルバック エピオティック ペプチド
アルコールフリーで低刺激でありながら、高い洗浄力も持ち合わせたイヤークリーナーです。
皮膚常在菌のバランスまで整えてくれます。動物病院でも扱いが多く、獣医師からの信頼も厚いブランドですよ。
おすすめイヤークリーナー④:ベッツワン オーツムギイヤークリーナー
天然成分を使用した、刺激の少ないイヤークリーナーです。
天然成分であるオーツ麦から耳ケアの成分を抽出し、配合。低刺激なので毎日使えるのがメリット。無香料で香りは控えめです。
おすすめイヤークリーナー⑤:スーパーキャット らくらく耳掃除シートプレミアム
手軽さが魅力のシートタイプです。アルコール、パラベン不使用で、低刺激。
40枚入りなので経済的ですし、涙やけやよだれやけのケアにも使えますよ。香りは爽やかなシトラスの香りです。
液体が苦手な犬には洗浄液の代わりとしても使えるので、一家にひとつは備えておきたいですね。
どうしても嫌がる・噛む場合はどうすればいい?
犬の性格にもよりますが、いきなりイヤークリーナーを耳の中に入れるのは、難しいことも多々あります。
特に成犬になってから始めて耳掃除をする場合はけっして焦らず、まずは耳に触ること、次は拭き掃除、と段階を踏んでいきましょう。
ちなみに、シートタイプのクリーナーなら違和感が少ないので、液体タイプよりも受け入れてくれることが多いですよ。
難しいと思ったら無理をせず、動物病院に相談してみてくださいね。
耳のトラブルが理由のことも。気になることがあれば動物病院へ
耳掃除が嫌なのではなく、耳に炎症や痛みがあって触られたくない、という場合もあります。
愛犬の耳に赤みや湿疹、そのほか気になることが少しでもあれば、むやみにいじらず早めに動物病院を受診しましょう。
トラブルが無くても、自宅でするのが難しければ動物病院やトリミングサロンに頼むのも手。プロに任せてしまうのが1番楽ちんです。
▼外耳炎の治療について知りたい方はこちらもチェック
まとめ
犬にとって、耳掃除中にじっとしているのは難しいことですが、耳掃除は大事なケアの1つ。
お互いに無理なく、スキンシップとして耳掃除を行うことができれば、愛犬との生活がより充実したものになりますよね。
ぜひこの記事を参考に、愛犬の耳掃除にチャレンジしてみてくださいね。
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