人の健康法や美容法でも、十分な水分補給は体の老廃物の排出に有効だといわれています。
それなのに愛犬があまり水を飲みたがらない…となると、体に悪いのではないかと心配になりますよね。
本記事では、犬が水を飲まない理由や飲水量が少ない場合の影響、愛犬に水を飲ませる方法を紹介していきます。
犬の正しい水分補給とは
どのくらい飲むのが普通なの?
犬の1日の飲水量は、体重1㎏あたり50~60mlが平均とされています。(個体差があるので、あくまで目安量)
忘れてはいけないのが、水は飲まないと摂取できないというわけではないということ。
ドッグフードやおやつなど、毎日の食事からも、犬は水分を摂取しています。
1日に必要な水分量の求めかた
フードの水分量を含む、1日に必要な水分量は下記の計算式で求められます。(電卓を使ってください!)
1日に必要な水分量(ml)=体重(kg)×0.75乗×132
~体重(kg)×0.75乗の求め方~
体重(kg)×体重(kg)×体重(kg)をして、√(ルート)を2回押す
基本的に、愛犬に与える水は「水道水」で大丈夫
水といっても色々な種類がありますが、基本的に犬には水道水を与えていれば大丈夫です。
軟水は、硬水に比べてミネラル含有量が少なく、尿管結石症などのリスクが低い水といわれています。
※水道水の硬度は各地域の水道局のホームページで確認できます。
・日本の水の硬度・分類
区分 | 硬度 |
軟水 | 0~100mg/L |
中程度の硬水 | 101~300mg/L |
硬水 | 301mg/L 以上 |
・WHO(世界保健機関)の水の硬度・分類
区分 | 硬度 |
軟水 | 0~60mg/L |
中程度の軟水 | 60~120mg/L |
硬水 | 120~180mg/L |
非常な硬水 | 180mg/L 以上 |
ミネラルウォーターは与えないほうが無難
ミネラルウォーターやウォーターサーバーの水は種類ごとに成分が違うので、一概にいい・悪いはいえません。
ただ、種類によっては尿石症の発症リスクを高めてしまうものもあるので、できれば一律で避けたほうが無難といえるでしょう。
ちなみに、犬には「硬度120mg/L 未満・pH値7.0(中性)に近い水」を与えることが望ましいとされています。
水道水以外の水を与えたいと思った時は必ず成分表示を確認して、硬度ができるだけ低いものを選ぶようにしてくださいね。
飲水量が少ないと、健康にどんな影響がでるの?
飲水量が不足すると、体内の水分が減るため循環が悪くなります。
排尿回数が減少すると毒素の排出力が落ち、さらに、栄養素や酸素を全身に運ぶ機能も低下します。
その結果、細胞が弱って老化が早まる・内臓や脳の働きが低下する・骨が弱くなるなど、様々な影響が出る可能性があります。
また、排尿回数が減ることで、尿が濃くなり結石ができやすくなることから、尿石症の発症リスクも高まります。
水分不足は肌の潤いにも影響する
体内の水分が減ると、皮膚も乾燥します。
皮膚が乾燥するとバリア機能は弱まり、痒みを引き起こすため、アトピー性皮膚炎の管理には保湿が必要不可欠。
積極的に水分補給をして、体の内側からもスキンケアをしたいですね。
どうして水を飲んでくれないの?考えられる理由6つ
犬が水を飲まない理由として考えられる要因は、主に6つあります。
愛犬の様子をチェックしたり、生活環境を振り返ったりして、当てはまるものがないか確認してみましょう。
単に喉が乾いていない
食事で水分がしっかり取れているので、そもそも飲む必要性を感じていないのかも。
水入れに近づく素振りがない&元気そうな時は、犬自身が水を欲していない可能性が高いでしょう。
水が汚れている
食べかすが水に入ってしまったり、ホコリや抜け毛などで水が汚れていると、飲みたがらないことがあります。
神経質な性格の犬に多く、水入れに近づいても戻ってきてしまう場合は要注意です。
器が汚れている、好きじゃない
水と同じく、器が汚れている場合も、水を飲まない原因になります。
また、器の材質や匂い、形状などが好みに合わず、水を飲まないのかもしれません。
気温の変化
私たち人間もそうですが、冬場は飲水量が低下します。
なぜなら、気温が下がると代謝が落ち、そのぶん喉が渇きにくくなるから。
反対に夏場など暑い時期は飲水量が増えるので、おしっこの量や回数も比例して多くなります。
病気、ケガ(体調不良、吐き気、痛みなど)
歯茎の炎症で口の中が痛い、体が痛くて水飲み場まで行けない、水を飲む姿勢が辛いなどが原因かもしれません。
吐き気を感じている時は、気持ち悪さから水をよく飲むケースもあるので、注意しましょう。
加齢による全身の機能の低下、感覚の鈍化
加齢とともに代謝が低下すると、喉が乾きにくくなります。
また、中枢神経が鈍ると喉の渇きに鈍感になるため、余計に水を飲まなくなることも。
お水を飲んでもらうための5つの工夫|おすすめグッズもご紹介
ここからは、愛犬に水を飲んでもらうために出来る5つの工夫を紹介します。
便利なグッズも紹介しますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
①水を清潔に保つ
水はいつも清潔に、そしてたっぷり用意すること。
循環しないタイプの水入れの場合、1日に2回は水を変えましょう。
自動給水器は絶えず水を循環してくれるので、水替えは1日1回でOK。
はじめは自動給水器の動作音を怖がる犬もいるので、できれば静音タイプを選んであげてくださいね。
②フードをウェットタイプに変える、ふやかす
フードをウェットタイプに変えてみましょう。
ウェットフードには70%程度の水分が含まれているので、食事のタイミングで十分な水分補給ができます。
なお、ドライフードの水分量は10%程度と低いですが、少量のお湯でふやかして与えることで、水分量を増やすことができます。
お湯の代わりに、ペット用の牛乳や鶏肉のゆで汁などをかけてあげると、食いつきもよくなりますよ。
③水に風味をつける
ペット用の牛乳や鶏肉のゆで汁などを水に混ぜて風味をつけると、犬の食いつきがアップします。
ただし「水だけだと絶対に飲まなくなってしまった…」という事態を防ぐため、混ぜものは少量だけ使用するようにしましょう。
何かを混ぜた水は腐りやすいので、夏場などの暑い時期はこまめに取り換えてくださいね。
④違う場所にも水入れを置いてみる・高さを変えてみる
今まで置いていなかった場所にも、愛犬の水入れを置いてみましょう。
器自体が気に入らない場合に備えて、水入れは新しいものに取り換えてください。
こぼしてしまって水が飲めなかった!ということがないように、水は普段から複数箇所に置いておくのがおすすめです。
⑤水の温度を変えてみる
基本は常温の水でいいのですが、温度を変えることで飲んでくれるかもしれません。
冷たくしたり、氷を浮かべたり、ぬるま湯にしたりと、季節に合った変化をつけてあげましょう。
体調不良や火傷を起こすことがないように、お水は冷たすぎたり、熱すぎたりしないようにしてあげてくださいね。
まとめ
今回は、水を飲んでくれない犬への対策について紹介しました。
水分不足は体の老化にも影響を及ぼしかねません。毎日十分な水分補給をして、愛犬にいつまでも元気で長生きしてもらいましょう!
お金を掛けずに出来る工夫もあるので、ぜひできることから試してみてくださいね。