愛犬が痒がっている時、そこには様々な要因が潜んでいます。
たまに耳を掻いたり、足を舐めたりするだけなら問題はありませんが、頻繁にみられる場合は対策が必要です。
本記事では「保湿」の重要性や乾燥対策、自宅でできるスキンケア方法と注意点について解説します。
犬の皮膚はとてもデリケート。少しの刺激が痒みになる
犬の皮膚は人間の皮膚の三分の一以下の厚みしかなく、とてもデリケートです。
そのため、乾燥による痒みや違和感などから皮膚を舐め続けたり、噛んでしまったりすると、皮膚が簡単に傷ついて雑菌が繁殖してしまいます。
犬にとって掻く行為を我慢することは難しく、一度気になるとひっきりなしに掻いてしまうので、回復には多くの時間がかかります。
皮膚が乾燥すると肌はベタベタ。体臭がきつくなる
皮膚の乾燥が原因で皮脂が出やすくなった結果、ベタベタしたフケが出たりすることもあります。
当然、通常よりも被毛は脂っぽくなるので、どんなに頻繁なシャンプーをしても健康な犬にくらべて体臭がきつくなってしまいます。
まずは乾燥させないことが大切
どんなに適切な保湿を行っても、乾燥がひどい場所ではすぐに乾いてしまい、スキンケアの意味がありません。
保湿などのスキンケアを行う前に、まずは乾燥させないための環境対策を徹底しましょう。
- エアコンの風が当たらないようにする
- 部屋の湿度を50~60%に保つ
- 犬用の洋服を着せる
洋服は、ポリエステルなどの化学繊維ではなく、コットンや麻などの天然素材を選びましょう。
天然素材の洋服は静電気がおこりにくく、犬の肌に優しいため、アレルギーの犬には特におすすめです。
エアコンの設定温度を過度に下げなくても、サーキュレーターや扇風機で空気を循環させれば、室温は快適に保たれます。
冬場の暖房器具は風が出ないものを使用するなど、できる限り乾燥しないよう工夫してくださいね。
冬場の乾燥はアレルギーの犬にとって大敵
特に、肉球はちょっとした刺激によってヒビが入ってしまうこともあります。
散歩後は濡らしたタオルなどで汚れを取り除き、最後に保湿クリームなどで保湿してあげるとよいでしょう。
冬場の静電気対策は必須
冬は乾燥による静電気が起きやすく、洋服やハーネスを着せると毛がもつれやすくなります。
愛犬に洋服を着せる時は、定期的に清潔なものに着せ替えるようにし、こまめなブラッシングで毛玉対策を行いましょう。
ブラッシング時は、静電気や皮膚の乾燥を防ぐブラッシングスプレーなどを上手に使って、愛犬の皮膚を健康に保つようにしてくださいね。
適切なスキンケアで乾燥からくる痒みを防ごう
乾燥による痒みを防ぐには、適切なスキンケアを行うことが大切です。
一度にすべて行うのは負担…と思うかもしれませんが、まずはできることから始めるだけで大丈夫!
ここでは、愛犬の皮膚を健康に保つために必要なスキンケア方法を紹介します。
こまめに水分をとらせる
まずは普段から愛犬に十分な水分を取らせ、内側から皮膚は潤わせましょう。
果物は水分をたっぷり含んでおり、皮膚の健康に役立つビタミンも一緒に摂取することができるので、保湿ケアとしておすすめです。
犬用の保湿スプレーやクリームを使う
保湿スプレーやクリームは、犬が舐めても問題ないシンプルなものを選びましょう。
使い方は簡単。愛犬の皮膚を触って、カサカサしている部位やフケが多いところを中心につけていきます。
保湿剤を使う前はブラッシングで抜け毛を取り除いておくと、スキンケアの効果が発揮されやすいですよ。
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保湿成分の入ったシャンプーを使う
季節ごとの皮膚状態を見て、夏は汚れ落ち重視、冬は保湿重視など、シャンプーや保湿剤のタイプを選ぶことも大切です。
皮膚の乾燥が気になる場合は、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリンなどの保湿成分が入ったシャンプーを使いましょう。
シャンプー後はワセリンや保湿剤などを使って潤いを閉じ込めることで、皮膚上の水分が抜けにくくなります。
シャンプー時の注意点3つ
せっかく保湿成分入りのシャンプーを使っても、シャンプーのやり方によっては、肌にダメージを与えてしまうかも。
アレルギーで痒みのある犬に対してシャンプーを行う時は、以下の3点に注意しましょう。
シャンプーの種類
愛犬用のシャンプーは、できるだけ低刺激のものを選びましょう。
洗浄力の強いシャンプーは皮脂が過剰に分泌される原因になるので、肌が弱い犬にはおすすめできません。
お湯の温度
犬をシャンプーする時の温度は、大体30~32℃程度のぬるま湯がベストです。
体温調節が苦手な子犬・老犬の場合は35℃前後に調整してあげると良いでしょう。
なお、いきなり身体が温まると血流が良くなり、強い痒みが出ることがあるので、長時間の入浴はNGです。
ドライヤー
毛が湿ったままだと雑菌が繁殖しやすくなるため、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。
ドライヤーを使う前はタオルドライを丁寧にし、ドライヤーの設定は、温風と冷風を交互に使うなど工夫してくださいね。
温風を使う際には、ドライヤーを犬の身体から適度に離し、同じ箇所に熱風を当て続けないようにしましょう。
まとめ
日頃のちょっとした工夫や保湿などのケアによって、アレルギーの痒みは和らげることができます。
皮膚が乾燥すると、様々な皮膚トラブルがみられるようになるため、乾燥対策は積極的に行いましょう。
できることから少しずつ、それが痒み改善につながります。
ぜひ正しいスキンケアを行って、愛犬の皮膚を健康に保ってあげてくださいね。